2003年11月文化の日三連休
しばらく良かった腰が、今思うとこの3連休を境に、ヘルニアの病状は次のレベルに達したと考えられる。
仕事はやっと少しは落ち着きを見せていた時期だけに、それに合わせるかのように腰が痛くなり始めたことになる。それは精神的な緊張で神経根の炎症を抑えていたと考えられるほどだ。そんなことはあろう筈もないのだが、せっかく一息ついた時期でどこか出かけるには最高の3連休なのに、腰が痛いのは非常に残念だった。
それでも連休初日には自転車でイタリアンを食べに行った。次の日は自転車で海まで釣りに行った。釣りでは、餌つけや、仕掛けの調整でしゃがんだり・立ったりを繰り返す度にかなりのレベルの痛みが腰に走るのだった。しかもこの痛みが余り今までに経験したことのない痛みだった。明らかに筋肉や関節ではない、何か腫れ物がそこにあるというような、熱を持ったような痛みだったのだ。おそらくこれらの行動により神経根の炎症は次のレベルに進んでしまったと考えられる。
連休最終日も朝から立ったり座ったりもやっとというレベルになっていた。それでも夕方には何とか回復し、結婚式を挙げた友人の2次会に参加にまたしても自転車で出かけるのだった。後になって思うとこのころの痛みはかわいいものだが、ついに私も自分の腰痛がただならぬ状況になりつつあることを認めざるをえなくなった。連休明けの11月4日に病院へ行くことに決めた。
3日間に2,3時間自転車にのっていたことになるがこれがヘルニアを悪化させたのかもしれない。(根拠は無い。)
11月4日
近所の整形外科医院に行く。(この医院は手術を受けたところではない。)そこは入院施設もない小さな医院だが、大繁盛だ。受付開始の8時半ころでも既にかなりの患者(大半がお年寄り。)が集まっていた。私は春になぜかスキーでテニス肘になってしまいこの病院に通院したことがある。その時も同じ状況だったが、高齢化社会を迎えるとこうした町の整形外科は儲かってうらやましいと思わずにはいられないのだった。
大半の老人たちは常連客のようで、診察を受けず電気治療や牽引をやる人も多く、意外と早く私の診察の順番が回って来るのだった。
診察室に入ると、私は自分の症状を説明した。思い当たるきっかけ(柵越えジャンプとの関連の可能性)、これまでの症状について医師に説明した。まずレントゲンを採ることになった。ここの医院は医師自らレントゲンを撮ってくるれるのだ。撮影の後、しばらくしてから再び診察室に呼ばれた。
「骨には異常ないから心配ないでしょう。」
ただ念のためと言うことで、お決まりのSLRテスト(仰向けに寝て、足を伸ばしたままあげる。このときに痛みや痺れが出るかを見る。)をした。また足首や足の指の筋力チェック(左右の足の強さ比較)を行った。
しかし運の悪いことに昨日までの痛みがその日になって和らいでしまっていたのだ。だから以上のテストはことごとく問題なくクリアーしてしまった。
「しばらく腰の牽引と、電気治療で様子を見ましょう。心配ないと思うけどね。」
とりあえず、牽引と電気治療を受け後シップをもらい、その後は出社した。
このとき医師の口からヘルニアというキーワードは一言も出なかった。私もヘルニアとは思っていなかった。
まだ知識のない私は、骨には異常ないという言葉に安心してしまったのは確かである。しかしヘルニアはレントゲンには写らない事実を知ったのはしばらくしてからだった。私は何も気づかず、一安心と言う感じで病院を後にしたのだった。
11月8日(土曜日)
しかしその安心は非情にもほんの数日で打ち破られてしまうのだった。4日間のウィークデーはそれ程の痛みもなく仕事が出来たが、土曜日この日は朝から痛みのモードが違っていた。立ち方や立つ位置を工夫して、やっと立ちあがれると言う状況だった。
また痛いのは腰だけではなく腿の裏側・外側も痛みがでてきていた。
早速いつもの医院をたずねたのだった。医院に行っても痛くて、待合室の椅子に座ることが出来ない状況だ。
これはちゃんと診察を受けられる(症状を説明できる。)チャンスかもしれないと、逆に期待もできた。しばらくすると、私の名前が呼ばれた。
迎えにきた看護師さんは私を診察室ではなく、牽引を行う部屋に案内された。看護師さんは私の腰に牽引用の装具をつけよとしたが、
私は「かなり痛いんで診察先お願いしたいんですが。」とお願いした。以前診察を受けたときとは明らかに状況が違うと思ったからだ。
「分りました。じゃ診察室の前でお待ちください。」
しばらくすると診察室に通された。「どうしました。」
「ちょっと今日は痛みのモードが違うんです。腰はかなり痛いし、腰だけじゃなくて足も少し痛いんです。」
私は椅子に座るように薦められたが、座ると痛いので立ったまま状況を説明した。しかし医師の言葉はかなりシンプルだった。
「軽いヘルニア気味かもしれないけど、それでも、牽引と電気治療しかないよ。一応痛み止めは出しますから。しばらく通ってください」
とそれだけだった。
今思うと確かにこの診断は正しい、痛みだけの段階では安静にして痛みが無くなるのを待つのが第一だ。
しかし余り知識のなかった当時としては説明不足だったような気がした。「こんなに痛いのに本当にそれでいいのかな」
もう少し痛みの原因や、それを和らげる処置、今後の経過などを説明してくれても良いような気がした。
結局この日は、家に帰って寝て過ごした。立てるだけまだかわいいが、椅子に座ることも苦しく、その日の昼ご飯は立って済ますのだった。
やはり患者はある程度説明を受けて自分の状況を把握したらある程度の痛みにも絶え、不安を解消できると思うのだが。(明確な不満があるわけではなかったが、この医院はこれが最後となった。)
11月15日(土曜)
余り説明してくれない医院に見切りをつけて1週間たったとき、会社の先輩から地域で有名な整骨院を紹介してもらった。この先輩も数年前坐骨神経痛にかかり、いくつかの病院と整骨院を渡り歩いた後そこに行き着き治ったのだと言う。またいつものように腰痛は週末にかけて悪化し、診療初日のこの日(土曜)はかなり痛かった。待合室でも座るのもやっと言う状況だった。
しかしここはスタッフの態度が非常に良いのだ。初診である私に質問をするときも腰が痛い私を気遣ってスタッフの人が、「そのままそのまま」といって私のところにきてくれるのだ。完全に患者ではなく、お客様扱いだ。これだけで非常に気分が良くなった。
院長の話も非常に丁寧だった。院長さんは私を前屈させたり、寝かせたりしていろいろな角度から見たり、触ったりした。私も整形外科にかかっており、既にレントゲンで骨は異常のないこと、ヘルニア気味かも知れないと言われた内容を伝えた。それに対して院長さんは私の腰痛に対して以下のような説明をしてくれた。
・腰痛の原因は、骨盤のバランスが悪いからだ。
・バランスの悪さは普段の姿勢が悪いからだ。
・姿勢が悪いと筋肉がアンバランスに緊張してゆがみを発生させるのだ。
結果的にこの説明は正しかったかは微妙なところだが、その説明はかなり丁寧で、当時の私には論理的だった。説明が終わるころには私の腰を任せてみるかという気持ちになっていた。(説明が良すぎるのも問題かも知れないが。)
とりあえずこの日はいい場所を教えてもらったと喜んで帰ってきたのは事実だ。マッサージは気持ちがいいし、確かに体がほぐれる気がしたのだった。週2回ペースで通うように言われたので、しばらくそのとおりにやってみることにした。
念のため治療の内容を書いておく。
<骨盤の位置を調整>
これははっきりいって何をされているのか分らなかった。ベッドに私をうつ伏せに寝かせ、院長先生がソフトなタッチで腰の周りを触るのだった。私は骨盤の位置を物理的に力を加えて直すのかと思っていたが、殆ど触るようなものだった。「それで調整されてるんですか。」ときくと「微妙な調整ですから。」と答えるのだった。私には殆ど超能力で気でも送られているのかと思うものだった。
<筋肉をほぐす治療(マッサージ)>
これは背中から足の先まで、体の背中が側の筋肉をほぐすマッサージだ。かなり気持ちが良かったが、部分的にはかなり痛いところもあった。痛いのは何らかの問題がある場所だと言われた。私は腰の直ぐ上の筋肉とももの裏側が痛かった。
<微弱電流の電気治療>
女のスタッフの人が、私の腰にローションをつけて、そこを電極付きの手袋でさすってくれるものだ。私はまったく電流を感じることが出来なかった。説明によると腰痛の急性期に微弱電流を流すと組織の再生が活性化されて早く直りやすくなるとのことだった。この治療は最初の2回のみだった。
<低周波電気治療>
腰の周辺に電極をつけて、そこに電圧をかけるおなじみの治療である。これは整形外科医院で行ったものと大差ない。
<ストレッチ>
最近話題の大腰筋を伸ばすストレッチをやった。確かに体が硬くなっていたので、少しはすっきりした。
以上のような診察をこの日以降4回受けた。
慢性腰痛は西洋医学でも原因がはっきりしないという背景のためか、腰痛になると整骨院を訪れる人は多い。
しかし整骨院は保険はきいても、診断は許されないと言う微妙な位置付けということに注意して欲しい。
私もこの時点でまだ足のしびれ等はないためまだ整骨院で直るような気がしていた。しかし、気持ちよかったのは確かだが、まったく症状は改善されなかった。確かに保存療法としては間違っていないと思うので大多数の人はこのような対処で治るのも事実だろう。だから整骨院を否定するつもりはないのだが、今回の私の経験からすると、腰痛の急性期は病院に行ってちゃんと診断、必要な処置をしてもらうべきだと思う。(ちゃんと説明してくれない病院は変えたほうが良い。)その後、ある程度回復した慢性期になって整骨院を利用すべきだと思った。はじめから整骨院にのみ通い、ちゃんとした診断受けられず手遅れになったり、逆に悪化させてしまう場合もあるようだ。ネットで検索すると、病院や医院より、こうした整骨院等の民間療法を売りにする所の方が宣伝がうまい。患者心理を巧みについている。それを頼りにしたい患者の心理も当然だが、余り信用しすぎるのも考え物だろう。
とこれまでは、何とか日常生活がぎりぎり送れたレベルまでの経過である。
これ以降さらに私の腰は悪化するのだった。
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(2004.1.10)