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節約に向かない足 お釈迦様は、何でも平等に扱うと言う意味から扁平足だったという話を聞いたことがある。私もお釈迦様のようだとは言う訳ではないが、私の足は偏平足だ。自慢ではないが、私よりすごい扁平足の人は見たことは無い。 人間の足の甲は、走る時など体重のショックを吸収するため、アーチ型をしているらしい。扁平足はそのアーチが不足してしているものであり、結果的に疲れやすくなるという話も聞くが、ほとんどの人に実害はないとのことである。私の足は土踏まずが無いどころか、逆に盛り上がっているくらいで、アーチの度合いがどうだと言う前に、とにかく土踏まずが無いのである。以前書いたように東京から新潟まで歩いたということを書いたが、その時は確かに疲れた。だからもしかしたら疲れやすい人間なのかも知れないが、多分そうではないだろう。 私もほとんど実害は無いのだが、夏のプールサイドを歩く時はちょっと注意が必要だ。足跡がぞうりのようになってしまうからだ。他の人は別に気にしていないと思うし、指摘されたことも無いのだが、念のため体重を外側にかけて歩くのである。 様々な失敗を繰り返して得られた結論は、足に靴がなじめるかが重要と言う事である。買った後、靴が足になじむためにはそれ相応の品質が必要となり、リーズナブルな靴は向かないのである。(節約には向かない足ということである。) 最初の失敗は、高校の入りたての頃にさかのぼる。私は高校に入って山岳部に入ったのだが、入部した早々登山靴を買うことになった。簡単に行けるところにスポーツ用品店が無かったため、学校と取引のある店からサンプルを2種類ほど取り寄せて靴を選ぶことになった。今考えるとかなり無謀な行為だった。まだ未熟だった私はろくな試し履きもせず、2万円位する靴を選んだのである。 数日後、私の手元に届いた靴を見て、初めは確かに嬉しかった。私は意味も無く家の周りをその靴を履いて歩き回り、時折田んぼの中に足を突っ込んでみたりした。全く濡れない。完全に水をはじいてくれたその靴に、私は限りない喜びを感じた。しかしその喜びも長くは続かなかった。しばらくして私は20kg程度の荷物を背負い雪と岩の山に向った。軽登山靴だけに一時的な防水効果があるとはいえ春の雪は容赦無く靴に染み込んだ。まあある程度は覚悟していたことなのでそれは諦めざるを得なかったのであるが、山を降りてショックな事実が発覚した。なんと靴底の土踏まずの部分が僅かではあるが、横に伸ばされはみ出すように、はがれてきていたからである。私は直ぐにゴム性のボンドを購入しはがれた部分を補強する手当てをした。しかしその後も山に行くたびにはがれた部分は拡大し、帰ってきてはボンドで補修することを繰り返した。 結局夏の頃には、ついに限界を迎えた。街中ならまだしも、山の中で靴がダメになることは致命的な結果を招くからだ。いさぎよく諦めるしかなかった。かなりショックだった。結構高い靴なのに、なんでこんなに弱いんだろう。店に文句を言おうかと思ったが、同じ靴を選んだ私以外は何も問題が起きていなかった。 その靴は全て皮ではなく、半分布製だった。重い荷物を背負うこと、足の幅を更に増幅する厚い靴下の影響もあったと思うが、形がフィットする前に崩壊してしまったのだろう。 私は大学に入りアルバイトでお金は稼いでいたわりには、もったいなくて使えないという生活を送っていた。私はその時点で更に誤りを犯してしまった。なぜなら2980円の靴を買ってしまったからである。この靴は私の靴の顔つきにならなかった。安い靴はやはり形が変わる前に崩壊してしまうのである。今度の崩壊は外側の靴底ではなく、内側の底から始まった。靴の中敷が数日ではがれてしまったのである。靴の内部に予想以上の横方向の力が加わったからであろう。はがれた底を元に戻し、そっと足を載せていても直ぐに底がはがれて、ついには靴の本当の底が出てきてしまった。はがれた底の下からは、靴底が格子状にむき出しになっていた。それは靴下や足の裏の皮を容赦なくすり減らすのだった。靴下は1日で簡単に穴があいてしまった。私は、靴の中に紙を敷くなどの工夫をしてみたが、ほとんど意味が無かった。 結局この靴は、4足程度の靴下をダメにすると言うおまけまでついて、10日程度で捨てざるをえなかった。 この後もう一度、2000円台の安い靴を買っているが、その時もあっという間に靴底がはがれてしまった。はがれたまましばらく履いていたが、つま先の靴底が裏返って前に転びそうになり、諦めた。 このように私は色々学習した結果、現在はある程度の値段の靴を買わなければならないことを知った。ある程度足の形になじむことが絶対条件なのだ。このことを理解して欲しい。お願いである。 終わり。 (チャビーより)この話を読むと、学習してからは良い靴を買っているようにみえる。しかし、良いものを買うと安心して靴の状態には無頓着になるのだろうか。私と交際していた頃の通勤靴には穴があいていた。穴のあいた靴をはくサラリーマンって・・・。結局私の母が見かねて新しい靴を買ってきたのだった。勝手に買われてダンナは驚いたが、穴のあいた靴と同じブランドで良かったと思ったそうだ。母の買ってきた靴はダンナの靴の顔つきになって活躍することができた。
(2003.5.11) |
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