ノスリと私−2

<夏のえさ取りは比較的簡単>

(1)魚

基本的に殆ど毎日、家の直ぐ下の川に魚を釣りに行っていた。つりは好きだったので、苦にならなかった。学校から帰ると暗くなる前に、ささっと数匹の魚を釣って与えていた。結構好物だった。

また、田んぼにドジョウ籠(竹で編んだ一升ビンのような形をしていて、米の糠をいったものを入れて、田んぼに沈めておくと次の日どうじょうが入っている)をセットし、捕まえたものを与えた。

(2)蛙

蛙も何種類かいるが、最も普通にいる土蛙は絶対に食べなかった。実際に私のあの蛙の匂いはちょっと苦手なので、私も触りたくないので、嫌いで良かった。食べるのはトノサマ蛙か赤蛙で体の粘膜がつるつるのものである。トノサマ蛙は大好物だった。夏に、友達の家の近くに学校で遠足にいったとき、目的地の近くにトノサマ蛙が大量にいるという情報を入手し、ちょっと遠足を抜け出して蛙を捕まえにいった。大量に取れて、ビニール袋を膨らませた中に大量の蛙を持って家に帰った。

また川で巨大なトノサマ蛙をゲットし、それを鳥に与えたら、腹の中から別の蛙が出てきた。一瞬訳が分からなかったが、出てきたのが別の種類の蛙とはいえ共食いをすることに驚いたこともあった。

(3)へび

猛禽類の餌といえば蛇というようにおなじみだろう。私は蛇を見つけると手当たりしだい捕まえていた。マムシは人間が食べるため、捕まえても鳥には与えず自分で食べたが、それ以外は、アオダイショウ、シマヘビ、ヤマカガシと手当たりしだいに捕まえた。農作業の途中などで捕まえると、木の棒と蛇を一緒に草のつるで縛り、それをかつで家に帰った。あと、急いでいる場合や、蛇が小さい場合はズボンのポケットに入れていたときもあった。とにかくかなりの数の蛇を与えた。

シマヘビは毒は無いが、のこぎり状の歯を持っている。内側に向いたぎざぎざは、一度獲物を咥えると、その獲物の皮膚に引っかかり容易には逃げられないようにするためのものだろう。このため指などシマヘビにかまれたときに反射的に手を引くと、手が切れてしまう。このことを知らずに私ははじめのころシマヘビにかまれ、手から血を流したことがあった。ただかまれただけではぜんぜん痛くないのになぜだと非常に不思議だったが、次に捕まえたときに口を観察したところ、以上のような事実に気づいた。皆さんも、シマヘビには毒が無いといっても安心できないので、気をつけて欲しい。かまれたら、そうっと口を開いて落ち着いて対処すれば、問題は無い。

(4)ネズミ

ネズミは通年入手可能な非常に貴重な動物であった。基本的に近所の家などに、ネズミが捕まったらもらえるようにお願いしてあり、連絡が入るたびにもらいに行った。自分の家でも蟻地獄状になった米のタンクの中に誤って落ちたネズミを、捕まえた。ノスリはネズミが大好物で、喜んで食べ、見ていて気持ちよかった。そのため私もネズミが手に入ると嬉しかった。

隣の家からは、ネズミと蛇をダブルでもらったこともあった。どうも先にネズミ捕り籠にネズミが入り、その次にそれを狙った蛇が入ったようだ。台所で取れたらしいが、ラッキーだった。

(5)ムササビ

私の家の周りにはムササビが多く住んでいた。家の周りでムササビの子供を3回ほど拾ったことがある。家の周りの木にも巣を作っていた。あるとき私が学校から帰ると、祖父が「おい、ムササビ捕まえておいたぞ。」と私に言った。話を聞くとムササビは何を間違ったのか、家の中に飛んで入ってきたらしい。それを祖父が捕まえたようだった。私が戻るまで殺す気は無かったようだが、捕まえて発砲スチロールの蓋をかぶせて、石臼の石を載せて置いたら、重みで死んでしまったとのこと。私は、祖父とムササビに感謝しながら、それを解体しノスリに与えた。腸は食べなかったが、それ以外は、よく食べた。

(6)道で見つけた生き物たち

自分で捕まえるのではなく、道路で見つけるときも多かった。それは、道路にはかなりの頻度で動物が死んでいるからである。上にあげたものは、ムササビ以外すべて道路にも落ちている。私は学校に行くときなど道で見つけると、それを道の脇に隠して、それを帰りに拾って帰ることにしていた。一日位なら何とか大丈夫である。先日の夜も、車で走っていると、ひさしぶりの雨で大量のかえるが道路を横切っているのを目撃したが、その時の餌拾いを思い出した。

時々死んだ動物の体には、びっしりとハエの卵が産み付けられている場合があった。そのような場合でも、自然界のしたたかさを感じるのであった。

(2002.8.10)

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