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新幹線と水戸黄門を尊敬する(第3話) <4日目 伊勢崎(利根川河川敷)〜渋川> さて話しを戻すと、本当は楽しいはずの徒歩旅行のはずなのに、この日もめちゃくちゃ辛かった。暗くなってやっと渋川についた。このときはもう意識レベルが落ちるほど疲れていた。とりあえず寝る場所だ。しかしもう寝れればどこでも良かった。私は町の中心部からはずれるため国道を折れて脇に入った。 しばらく行くと、急に人気の少ない場所にたどりついた。地面も短い草が生える良い場所がつかった。周りの様子は暗さのため良く見えなかったが、私は比較的短時間に良い場所が見つかったと安心し、そこに寝転んだ。そして私は急速に眠りについたのであった。 眠りについたのもつかの間、私は、体を揺るがす強い音と強い光に起こされた。そのまま朝を迎えることは許されなかったのである。寝ぼけていたのか、私は一瞬何が起きているのかわからなかった。しかし、その正体が花火であることが分かると急速に意識が戻った。「そういえば渋川について素晴らしい場所を見つけて寝てたんだった。」と自分の状況を思い出した。渋川は夏祭らしい。意識が戻ってきたところで、私はある事実に気付いた。なんと私の片足は水田の中にあったのである。「寝相が悪かったのだろうか?もしこの状態で人に見つかったら死んでると思ったろうな」なんて考えるのもつかの間、次の花火が揚がった。 すると私は自分の背後からかすかな光りに照らされていることを感じとった。誰かいるのか?花火が消えた後、振り向いてみたが、元の暗闇に戻っていた。私は次の打ち上げを待った。しばらくして次の花火が上がる事を確かめ、次に花火とは反対の方向を見て目を凝らした。すると長方形の高層ビルのような四角いものが、数多く見えてきた。私はなんだろうと一瞬考えたが、すぐに何であるかを認識した。そこは墓場だったのである。きれいに磨き上げられた墓石が花火の光を反射していたのであった。ここにたどり着いた時は全く気付かなかった。花火が良く見える上に、人気がないのはまことに有り難かったが、さすがにここで寝る気にはなれなかった。 仕方なく私は渋川の町を超えることを決意し再び歩き始めた。しかし疲労した体では遠くまでは行けず、町の外れにある吾妻川沿のサイクリングロードに寝かせてもらうことにした。自転車にはひかれても死なないだろう。もう限界だった。(本来自転車が通るスペースであり、寝る場所ではないことは分かっていたが、寝かせてもらった。) <5日目 渋川〜新治村> 私は沼田の町の手前で、町をショートカットするため左に曲がり、再び17号に合流するルートを選択した。この道は17号に合流する手前で、高架の上を通過する新幹線が良く見えるポイントがある。そこを通過するとき、ちょうどものすごいスピードで通過する新幹線をみることができた。「この新幹線が東京を出たのは、今から1時間位前だなあ。それにひきかえ私はここまで東京から5日もかかっている。」そのことを考えた私は、一瞬むなしさを感じたが、本当に新幹線はすごいと感じた。しかも数千円で運んでもらえるとは、ものすごい付加価値ではないか。 私はこれまでの行程で野宿をしているため宿泊費は0とはいうものの、ジュース代がバカになっていない。おそらく数千円は使っていた。水を入れるポリタンは持っていたが、ザックに入れておくと強い夏の日差しによりすぐにお湯になってしまうのである。だからすぐに冷たい飲み物が欲しくなってしまう。国道沿いの自販機の数は半端ではない。その度に誘惑されてしまう。はじめの頃は、1時間に1本以上飲んでいたかも知れない。さすがにそれでは情けないので、後半はあるメーカの自販機を見つけたら飲んで、それ以外は飲まないというルールを決めて何とか抑えることが出来た。それでもかなりの額である。 改めて、新幹線の料金は安いと感じ、新幹線はスゴイと思ったのであった。その時ふと空を見上げるとジャンボジェット機が飛んでおり、さらにそのすごさに感動したのであったとまでは続かなかったが、水戸黄門の時代の後、人類が作り出した高速移動手段の発展は驚異的であること身をもって改めて感じたのであった。 つづく。(次回は5日目の夜から。いよいよ新潟県へ。) PS. 私に車に乗るように勧めてくれたドライバーの皆さんに改めて感謝したいと思う。 (2002.1.6)
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