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芋掘りと私
私は秋になると、必ず山に山芋掘りに出かける。今年もそろそろシーズンである。まあ東京で働いていたときは芋掘りどころではなかったのだが、学生のころは山芋掘りをしていた。 中学生の時は、芋を掘りたいという先生や友達をつれて山に入った。彼らは掘った芋を持って喜んで帰っていったが、その後も行ったという話は聞いていない。 やまいも堀りの様子は、こちら。
山芋掘りは私にとって、実益のための仕事だったのである。私の家は子供に小遣いを与えない家だったので、小学生のころから私にとって、お年玉以外の唯一の現金収入だったのである。私は小学3年生のときに、親について山芋掘りに出かけて以来、独自に山芋掘りの修行をつみ小学5年生の時にやっと売り物の芋を掘れるようになった。 それ以来、家族の生活を支えたとまでは言わないが、私にとって山芋掘りは非常に重要なものとなったのである。でもお金になることはうれしいことであるが、それほど割に合う仕事ではなかった。(最近自然薯はかなりの高級品であるが、当時は子供ということもありかなり安かった。)でもあのサンショウウオがたまに出てくる土の匂いをかぐと、ああーいい匂いと思う。
まあ私の芋掘りは趣味なので、疲れると家に帰ってしまうので、それほどつらい経験はしていない。しかし強いてていうなら以下の経験があげられる。 この時点で自分のすぐ上にそびえていた漆はまったく目に入っていない。芋の周りにはいつも通り無数の木の根が這っていたが、何も気にせず鎌で切りながら掘り進んだ。いつもと違うのは根の切り口が鮮明な黄色だった事である。芋を掘る上では何ら支障はなかった。むしろペースを上げて掘り進む。芋はかなりの大物だ。しばらくして私は満足した気持ちでその芋を掘り出した。 このとき私は異変に何も気づいていない。私が異変に気づいたのはその日の夜であった。帰ってしばらくして、私の両腕に油のような黒い汚れがついているのに気がついた。さっき洗ったはずなのにおかしい。しかたないのでもう一度洗うことにした。しかしその時点でもう手遅れなのであった。いくら石鹸をつけても、スポンジで擦っても、爪でひっかいてもそれを落とす事はできなかった。 その時点で私は覚悟した。もう終わりだった。その日はあきらめて寝てしまったのであるが、翌朝自分の腕をみると、黒い汚れがそのまま輪郭もくっきりと赤くはれ上がっていた。私はこのとき漆にかぶれた事実を認めざるをえなかった。 実は私にとって漆かぶれは決して珍しいものではなかったが、両腕が丸ごと完璧に近くかぶれたので、最高に強烈だった。 おわり。
漆にかぶれたことが無い人は世の中にどのくらいいるかわからないので念のため説明する。漆かぶれとは皮膚に漆の樹液がつくことにより発生するかぶれである。赤くはれて、水ぶくれになり、強いかゆみがある。しかしかぶれない人はかぶれない。私が幼い頃は至ると事に漆の大木があったが、最近はめっきり見なくなった。少し残念だ。 (2001.10.7) |
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